yuifood’s blog

Hatenaにて食物アレルギーの代替えレシピや、食材との付き合い方を配信しています^ ^ みんなで美味しくたべられるパンやスイーツがあったらもっと心は豊かになるかなって思っています! #食育アドバイザー #幼児食インストラクター #パンコーディネーターエキスパート #パンコンシェルジュ検定ベーシック

パンに砂糖を入れる理由と選び方

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パン作りに欠かせない材料のひとつに砂糖があります。

砂糖の役割は、実はパンに甘みを加えるだけではありません。 今回は、パンに砂糖を入れることによって得られる効果と種類による違いをまとめます。

砂糖選びの参考にして、素敵なパン作りを楽しんでくださいね。

とりあえずコレで間違いない!パン作りの砂糖

砂糖には様々な種類があります。使う種類によって特徴クセがあり味が変わります。

ですが、一般的に料理などを作る際に使われる砂糖はクセのないものではないでしょうか?

パンも同じです。迷うならクセのない砂糖を使うのが無難です。

食パンなら「上白糖」

しっとりしていて甘みが強く、水分が多いのでしっとりとした生地に仕上がります。

クセがない甘さなので万人受けしやすく、そのまま食べる他にトーストやサンドウィッチなどにしても間違いない美味しさです。

水分を吸着し、保つ働きがありパンを日持ちさせ保存性が高まります。

菓子パン・惣菜パンなら「グラニュー糖」

さらさらしていて、計量しやすいのが特徴です。

すっきりとした甘さでクセがなく一般的によく使用されているお砂糖です。粉量の5〜10%加えることで発酵力が増しますが、あんパンメロンパンなど生地に甘みを強く出したい場合(15%以上加える場合)は耐糖性イースを使用しましょう。

砂糖の役割

パン作り 砂糖 役割 違い

甘みをつける

砂糖の甘みがパンの甘さとなり、風味を付けます。

パンを膨らませる

酵母(イースト)は、砂糖の主成分であるショ糖ブドウ糖と果糖に分解します。 それらを栄養としてアルコール発酵を行い炭酸ガスを発生させるのが、パンが膨らむ仕組みです。

小麦粉でんぷんなどにも糖が含まれているためイーストは働きますが、砂糖が配合されていればよりスムーズに発酵します。

焼き色や香ばしい香りをつける

砂糖が多くなるほど焼き色が濃くなります。

材料に含まれるアミノ化合物と砂糖に含まれる還元糖を加熱すると、化学反応(=メイラード反応)が起きます。 このメイラード反応によって、香ばしい風味茶色い焼き色が付くのです。

また、砂糖がカラメル化することでも焼き色が濃くなります。

劣化を遅くする

砂糖には水を吸着して保持する保水性があります。 焼成時にパン生地の水分を引きつけて蒸発させにくくするため、しっとりと焼き上がります。

パンは時間が経つと水分が蒸発し、小麦粉のでんぷんが老化してかたくなります。 保水性のある砂糖を入れることで水分がでんぷんの構造内にとどまり、かたくなりにくくなります。

パン生地 砂糖の量 たくさん入れたい時

砂糖は粉量の10%程度まで!

砂糖は酵母の栄養になりますが、多く入れ過ぎると失敗につながります。

入れすぎると発酵力は衰えます

砂糖を入れすぎると

  • 発酵力の衰える
  • 窯伸びしにくくなる
  • 表面が焦げやすくなる

など生地に悪い影響が出ます。

砂糖の量が粉量の10%までは発酵力が増しますが、10%を超えると徐々に発酵力は衰えていきます。

入れすぎたときの対策
  • 砂糖の量を増やすなら、イーストの量比例して増やす
  • 発酵時間を長くする

など、工夫すると良いでしょう。

もっと甘みが欲しい時は「耐糖性イースト」を使う

砂糖を15%以上配合する場合は、耐糖性イーストを使うのも一つの方法です。

パン生地 砂糖 入れ忘れ 手作りパン

砂糖を入れ忘れてしまったら!?

砂糖の他に、加糖練乳や蜂蜜など甘味となるものも配合している場合、ほぼ問題はありません。

生地がコネ上がった後入れ忘れに気づいたら、そこから加えることはせずに強力粉に含まれるデンプン(糖)を栄養に酵母(イースト)が発酵していくのを待ちましょう。

通常より発酵は遅くなりますが、レシピの工程時間通りに進めてしまうより、発酵に適した温湿度を保ち十分に発酵するまで待つ方が賢明です。

甘さがない、しっとり感が出ない、色付きが悪い、いつもよりも固いなど、様々な違いはもちろん出ますが食べられないパンになる可能性は低いです。

焼き色が薄くなることが想定されるので、焼成前に溶き卵バターなどえ照り感を付与しておくとより良いと思います。

砂糖の種類と特徴

砂糖の種類は、主に原料と製法で分類されます。

原材料は主に2つ

製法により様々な種類に分類されます

絞り汁をそのまま煮詰めた「精製度の低いもの(含蜜糖)」と、精製して不純物を取り除いた「精製度の高いもの(分蜜糖)」です。

品名 原材料 製法 特徴 参考
上白糖 さとうきび・てんさい 精製度は高い分蜜糖 ラニュー糖よりしっとりしていて、甘みが強い。 日本で一般的に使われている。
グラニュー糖 主にさとうきび 精製度が高い分蜜糖 さらさらしている。 すっきりした甘さでくせがない。 外国で一般的に使われている。
三温糖 さとうきび・てんさい。 成分は上白糖とあまり変わらない。 一度精製したものを煮詰めてカラメル化し、茶色く色を付けている。 精製度が高い分蜜糖。 白砂糖よりはコクと香ばしさがある。
きび砂糖 さとうきび 精製されているが、黒糖よりは精製度が低く、ミネラル分などが残っている。 さとうきび本来のコクと甘みがある。
黒糖 さとうきび さとうきびの搾り汁をそのまま煮詰めていて、黒褐色で蜜分を多く含む。 ミネラルが豊富で濃厚なコクと甘み、強い風味がある。
てんさい糖 てんさい 精製度が低い含蜜糖。 ミネラルが豊富。 やさしい甘さがある。。

パンに砂糖を入れるのは、甘みを足すためだけでないことをお分かりいただけましたか?

砂糖はパンにさまざまな良い効果を与えてくれます。

他にトッピングなどで使う粉糖(パウダーシュガー)ざらめ(中ザラ糖)あられ糖( ワッフルシュガー )などもあります。

砂糖について知ることで、理想のパン作りを楽しんでください。